2016年に初開催され、地方開催ながら異例の動員を記録。今年で3回目となる音楽フェス「OTONOKO 2018」が、10月13日(土)石川県産業展示館4号館にて開催された。
「OTONOKO」は、Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅのプロデュースをはじめ、北陸新幹線金沢駅の発車予告音や映画の楽曲制作など幅広く手がけ、世界のトップアーティストからの支持も厚い音楽プロデューサー、中田ヤスタカがプロデュースするフェス。
故郷の石川県金沢市を舞台に、「OTO(オト)」を通じて世界に発信していく“今までにない新しいフェス”をコンセプトに、今年は中田ヤスタカ、CAPSULE、きゃりーぱみゅぱみゅ、m-flo、PKCZ®、DAISHI DANCE、TeddyLoid、banvox、RYUCHELLなど、多彩なアーティストが集結した。
メインステージは「OTONOKO 2018 OPENING DJ AUDITION」で出演権を勝ち取ったのDJ YUSUKEのプレイでスタート。オープニングアクトに登場したのは、今年数々の音楽フェスへの出演を果たし勢いが止まらない、新しい学校のリーダーズ。ブレない奇行グセ丸出しのパフォーマンスで会場を一気に引き込み、この日のために用意したというテクノに乗せてラップも披露した。
本編のオープニングを飾ったのは、中田ヤスタカ自身のユニット、CAPSULE。こしじまとしこの「金沢ただいまー!OTONOKOへようこそー!!」という呼びかけに大きな歓声があがり、1曲目の「Another World」から会場は一瞬で一体感に包まれる。終盤は「WORLD OF FANTASY」「グライダー」と続き、脳内に広がる壮大な世界観と圧倒的な存在感を感じさせた。
続いて登場したのは、アーティストとして大きな舞台に立つのは初となったRYUCHELL(りゅうちぇる)。新曲「Diversity Guys!」や愛息子へ贈る楽曲「Link」など3曲をパワフルなダンスとともに披露し、MCで自身がアーティスト活動を始めたきっかけを語ると、最後に「実は今日ぺこりんとリンクが見に来てます!」と話し、会場から歓声とあたたかい拍手が起こった。
ここからは会場全体がダンスフロアに一変。banvoxのマイクパフォーマンスを交えたプレイで始まり、TeddyLoidは米良美一とフィーチャリングし、クラブミュージックにアレンジした「もののけ姫」の主題歌を披露、名曲のリバイバルに会場が大いに沸いた。DAISHI DANCEはうちわやライトを使ったパフォーマンスでお祭りムードを誘い、続くシティポップ芸人ポセイドン・石川のJ-POPメドレーで前半戦は幕を閉じた。
後半戦、VERBALと☆Taku Takahashiでスタートしたm-floは、二人の煽りに応え、「Get Down Low Below Blazin」で観客全員が天に向かって大きくジャンプ。中盤でステージにLISAを呼び込み、これまでの人気曲から最新曲「MARS DRIVE」まで惜しみなく歌い上げ、締めくくりは「come again」をリピートし、ファンを熱狂させた。
PKCZ®は、DJ MAKIDAIとDJ DARUMAのプレイで幕開け。m-floとしても出演したVERBALも加わり、会場は終始熱気に包まれていた。
いよいよクライマックス。1曲目の「原宿いやほい」で会場のボルテージをさらに押し上げたきゃりーぱみゅぱみゅは、元素記号をひたすら歌う新曲「演歌ナトリウム」について「本当に聞いたことない単語が多すぎて、正直まじで頑張りました」と話し、笑いを誘った。
トリを飾るのは、もちろん中田ヤスタカ。ゲストとしてきゃりーが再登場し、中田がプロデュースするきゃりーの最新アルバムに収録された「キズナミ」など4曲をパフォーマンス。続いてbanvox、眞白桃々、苺りなはむ、TeddyLoid、VERBALと、続々とゲストを呼び込み、これまでそれぞれとフィーチャリングした楽曲を連発。盛り上がりが収まることのない豪華なステージに、会場は興奮がピークに達した。
最後はCAPSULEのボーカル・こしじまとしこが登場し「Starry sky」を熱唱。カラフルなテープが勢いよく噴射されフィナーレとなったが、会場からのアンコールで二人が再登場し、こしじまとしこが「本当に楽しかった!みんなまた遊びに来てね!」とメッセージを伝え、「Sugarless GiRL」にのせて全員でジャンプ。ステージの上のCAPSULE、来場者ともに多幸感に満ち、今年のOTONOKOは最高のフィナーレを迎えた。
Yasutaka Nakata presents OTONOKO 2018
http://www.otonoko.com/
写真:鶴見哲也/岡本政利/福田聡/中越圭/橋本歩